グレイヴン・ワン Graven One:刻印せし者

 

グレイヴン・ワン   鞣革のような、あるいは石にように硬い皮膚をしたソーサラーの伝説を物語は伝える。これらのソーサラーの皮膚は1インチ刻みで刺青やシジル、ルーンなどの“印”で覆われている。彼女らは、まさしく字義通りに、自身を生きた魔法のアイテムに変化させたのだ。しかしながら、そのようにするため、彼女らは自らの肉体を強化し、丈夫にする苦痛の儀式を経験する。
  ウィザードとソーサラーはしばしばグレイヴン・ワンになる。しかし時にはバードも同様の道を辿る。
  NPCグレイヴン・ワンは単独で漂泊し、時々人々に彼らの力を授ける。彼女らは強力な支配者のもと、軍隊の指揮官や執行者となる場合がある。
  ヒット・ダイス:1d6

 

必要条件 Requirements
  グレイヴン・ワンになる資格を得るためには、キャラクターは以下の全基準を満たさなくてはならない。
    知識(神秘学):5ランク
    呪文学:7ランク
    特技:物体ルーン刻印、アイテム図柄化、巻物作成、追加hp
    呪文発動:4レベルの秘術呪文が発動可能であり、その中には少なくとも3つの“印”の呪文を含まなくてはならない;イレイズ、エクスプローシヴ・ルーンズ、セピア・スネーク・シジル など
    言語:流暢に天上語、竜語、地獄語を話せなくてはならない
    特殊:自発的に丸1日を必要とする儀式に加わる、パーマネンシィ を発動できる術者を見つけなくてはならない。キャラクターは永久に4ヒット・ポイントを失うが、儀式終了後に彼は頑健になり、皮膚が岩のように硬くなるため+1体得外皮ボーナスを得る

 

クラス技能 Class Skills
  グレイヴン・ワンのクラス技能(そしてそれぞれの技能のための対応能力値)は精神集中【耐】、製作【知】、知識(神秘学)【知】、職能【知】、捜索【判】、そして呪文学【知】だ。技能の説明についてはPHB第4章:技能を参照。

  レベル毎の技能ポイント:2+知力修正値。

 

クラスの特徴 Class Features
  以下は全てグレイヴン・ワン上級クラスのクラス特技だ。

  武器と防具の習熟:グレイヴン・ワンは武器と鎧、盾の《習熟》を得ない。

  呪文:キャラクターがグレイヴン・ワンの奇数レベルを得たなら、彼は以前に得ていた呪文発動クラスを得たかのように一日の呪文数を得る。しかしながら、彼はキャラクターがそのクラスを得たなら獲得したいかなる利益も受け取らない(アンデッドの退散/威伏能力、呪文修正能力、アイテム作成特技など)。これはつまりのところ、彼は以前に得た呪文発動クラスのレベルにグレイヴン・ワンのレベルを加え、その後に一日の呪文数(と術者レベル)を決定することを意味する。
  例えば、もし9レベル・ウィザードのカナバラム Canabulum がグレイヴン・ワンのレベルを得たなら、彼は10レベル・ウィザードのレベルを得たかのように新たな呪文を受け取り、そして発動する。しかしながら、彼は基本攻撃ボーナスとセーヴ・ボーナスのようなレベル上昇に伴う特典についてはグレイヴン・ワンのものを使う。もし彼が次にウィザード・レベルを得たなら、彼は10レベル・ウィザード/1レベル・グレイヴン・ワンとして11レベル・ウィザードであるかのように呪文を得る。
  もし、彼がグレイヴン・ワンになる前に複数の呪文発動クラスを得ているのなら、彼はいずれのクラスが一日の呪文数を受け取るかについて、グレイヴン・ワン・レベルを得る毎に決定しなくてはならない。

  肉体ルーン Flesh Rune(擬呪):グレイヴン・ワンは《物体ルーン刻印》特技を用いて、自身の肉体にルーンを刻印する能力を得る。グレイヴン・ワンの肉体はそのサイズの如何に関わらず、4つのルーンを刻印することが出来る。

  力の刺青 Tattoo of Power(超常):グレイヴン・ワンは24時間持続する刺青を自身の肉体に刻印することが出来る。その刻印には10分間を必要とし、そして彼は一度にひとつまでの刺青を保持することが出来る(これは彼が有している《肉体ルーン》とは別計算になる)。彼が2レベルにおいてこの能力を得た場合、以下の表から使用可能な刺青を選択する。グレイヴン・ワンのレベル+【知】ボーナスにより、学習可能な刺青が決定される。3レベルにおいて彼が再度この能力を得るなら、彼はさらに別の刺青を選択することが出来る。
  刺青の図柄については、207ページの「ランダム・ルーン表」を参照しろ。

  図柄刻印 Graven Image(超常):4レベルにおいて、グレイヴン・ワンは彼の肉体に動物か魔獣の図柄をひとつ刻印することが出来る(これは彼が持っている《肉体ルーン》や《力の刺青》と別計算になる)。この図柄の刻印は10分間を必要とし、そしてフリー・アクションでいつでも起動する事が出来る。起動したなら、図柄はグレイヴン・ワンの肉体から離脱し、本物のクリーチャーと化す。それはレベル毎に1分間か、あるいは殺されるまでグレイヴン・ワンの精神的命令に従う(フリー・アクションで変更できる)。
  グレイヴン・ワンのレベルが上昇することで、《図柄刻印》で使用可能なクリーチャーのヒット・ダイス限界は上昇する。
  図柄については、207ページの「ランダム・ルーン表」を参照しろ。

 

ルーンによる影響 Rune Circumstances
  皮膚への印入れが奇妙である文化、あるいは恐怖や魔法を恐れる環境において、目立つ《肉体ルーン》、《力の刺青》、《グレイヴン・イメージ》は、グレイヴン・ワンの〈交渉〉〈はったり〉などの魅力関連技能判定に−2状況ペナルティーを与える。唯一の例外は〈威圧〉であり、DMは+2状況ボーナスを与えると判断するかもしれない。

グレイヴン・ワン
レベル基本攻撃ボーナス頑健反応意志特殊一日の呪文数
+0+2肉体ルーン呪文を発動するクラスに+1レベル
+1+3力の刺青
+2+3+1+1力の刺青呪文を発動するクラスに+1レベル
+3+4+1+1図柄刻印(5HD)
+3+4+1+1力の刺青呪文を発動するクラスに+1レベル
+4+5+2+2図柄刻印(10HD)
+5+5+2+2力の刺青呪文を発動するクラスに+1レベル
+6+6+2+2図柄刻印(15HD)
+6+6+3+3力の刺青呪文を発動するクラスに+1レベル
10+7+7+3+3図柄刻印(20HD)

力の刺青 Tattoos of Power
クラス・レベル+【知】修正刺青効果
持久力 Endurance【耐久力】に+2強化ボーナス
筋力 Strength【筋力】に+2強化ボーナス
敏捷力 Dexterity【敏捷力】に+2強化ボーナス
防御力 DefenseACに+3外皮ボーナス
静寂の影 Silent shadow〈忍び足〉と〈隠れ身〉に+10強化ボーナス
急所防御 Fortificationグレイヴン・ワンに対するクリティカル攻撃は25%の確率で無効化される
変装 Disguise self呪文のディスガイズ・セルフ に同じ
流血 Woundingグレイヴン・ワンがダメージを与える攻撃(呪文含む)を行った場合、武器の能力と同じように1ポイントの【耐久力】ダメージを与える(DMG220ページ参照)
聖/邪 Holy or Unholyグレイヴン・ワンがダメージを与える攻撃(呪文含む)を行った場合、武器の能力と同じように2d6ポイントの追加ダメージを与える。これは“聖”を選択したなら悪属性のクリーチャーに対し、“邪”を選択したなら善属性のクリーチャーに対して機能する
10秩序/混沌 Lawful or Chaoticグレイヴン・ワンがダメージを与える攻撃(呪文含む)を行った場合、武器の能力と同じように2d6ポイントの追加ダメージを与える。これは“秩序”を選択したなら混沌属性のクリーチャーに対し、“混沌”を選択したなら秩序属性のクリーチャーに対して機能する
11呪文抵抗 Spell resistanceグレイヴン・ワンは11+クラス・レベルに等しい呪文抵抗能力を得る
12ダメージ減少 Damage reductionグレイヴン・ワンはダメージ減少10/魔法を得る