レベル調整値削減( Reducing Level Adjustments )

 

  レベル調整値を科せられたキャラクターが経験を積む事により、彼のレベル調整値はスタート時に比べて徐々に重荷となっていく。結局のところ、クリーチャー種別による利益は《クラスの特徴》で得られるものに取って代わられてしまい、プレイヤーは種族選択を後悔するようになるかもしれない。この代案システムでは、キャラクターは経験値を消費することにより、間欠的にではあるがレベル調整値を削減していくことが出来る。
  ひとたびキャラクターのクラス・レベル合計(クリーチャー種別によるヒット・ダイスやレベル調整値を除く)が3に達する毎に、彼はレベル調整値を1だけ削減する機会を得られる。
  例えば、ノールのレベル調整値は+1である。ノール・キャラクターが3クラス・レベル(忘れてはならないのは、ノールが開始時に持つ2ヒット・ダイスは勘定しない点だ)を得たなら、彼は経験値を支払うことでレベル調整値を+0に削減することが出来る。
  もしレベル調整値が+1を上回るなら、クリーチャーのレベル調整値が+0に低下するまでこの過程は繰り返すことが出来る。毎回、レベル調整値を1低下させることが出来る機会を決定するため、クリーチャーの現在のレベル調整値を用いる。例えば、ドラウ(レベル調整値+2)がレベル調整値を1低下させるためには6クラス・レベル以上を得る必要があり、その後に+0に低下させるためにはさらに3クラス・レベルを得る必要がある。
  表1‐1:レベル調整値削減表では、スタート時のレベル調整値にしたがって、レベル調整値を削減する機会を得られるレベルが示されている。レベル調整値が+7以上のクリーチャーはエピック・レベル(21レベル以上)に達することで削減することが出来るが、それはこの表には含まれていない。しかしながら、あなたはクリーチャーのレベル調整値を削減する機会を決定するため、一連のパターンを発見することが出来るだろう。
  訳註:100ヒット・ダイス分まで計算してみました。

 

表1‐1:レベル調整値削減表
Table 1-1: Reducing Level Adjustments
スタート時のレベル調整値レベル調整値を削減可能なクラス・レベル数
(種族ヒット・ダイスは含まない)
+1
+26、9
+39、15、18
+412、21、27、30
+515、27、36、42、45
+618、33、45、54、60、63
+721、39、54、66、75、81、84
+824、45、63、78、90、99
+927、51、72、90
+1030、57、81
+1133、63、90
+1236、69、99
+1339、75
+1442、81
+1545、87
+1648、93
+1751、99
+1854
+1957
+2060

 

経験値コスト
Experience Point Cost
  キャラクターはレベル調整値を削減する機会を得る毎に、削減に必要な経験値をコストを支払うことが出来る。キャラクターは(現時点の有効キャラクター・レベル−1)×1000経験値を支払わなくてはならない。この値はキャラクターの経験値合計から即座に差し引かれる。支払いの結果、キャラクターの有効キャラクター・レベルは1低下すべきである(もしこの支払いの結果、キャラクターの有効キャラクター・レベルが低下しないとしても、キャラクターの経験値合計は現在の有効キャラクター・レベルより1つ低いレベルの下限値になる)。この経験値コストはどのようにしても取り戻すことは出来ない。そして支払いはキャラクターが自発的に行わなくてはならない。キャラクターはレベル調整値を削減する機会を得たなら、支払いは即座に行わなくてはならない。
  例えば、ノールの2レベル・ファイター(有効キャラクター・レベル5)が3レベル目を得るためには最低でも15000経験値を得る必要がある(彼の有効キャラクター・レベルは5から6へ上がるところである)。彼はレベル調整値を+1から+0まで削減する機会を得る。彼は5000経験値を支払わなくてはならない。彼の有効キャラクター・レベルは現在6だからである(2ヒット・ダイス+3クラス・レベル+1レベル調整値)。彼が経験値を支払った後、彼のレベル調整値は+1から+0に削減される。彼は今現在、10000経験値を持つ。彼の有効キャラクター・レベルは5に低下する(2ヒット・ダイス+3クラス・レベル)。たとえ経験値支払いの結果、5レベルに低下しないとしても ‐ 例えば、彼の経験値が6レベルに到達した後、20000経験値以上を蓄えた後でも ‐ 彼の経験値合計は5レベルの下限値である10000経験値以外何も残らない。実質的に、ノールはレベル調整値を削減するため経験値コストを支払った後、彼は5レベル・キャラクターとなる。
  同様に、ちょうど6レベルに達したドラウのクレリック(有効キャラクター・レベル8)は、彼女のレベル調整値を+2から+1に削減する機会を得る。彼女は7000経験値を支払わなくてはならず、彼女の有効キャラクター・レベルは7となる(6クラス・レベル+1レベル調整値)。彼女が9クラス・レベル(有効キャラクター・レベル10)を得た場合、彼女は9000経験値を支払うことでレベル調整値を+0に削減することが出来る(彼女の有効キャラクター・レベルは9になる)。
  一見して、この交換は良くない取引のように思える。ドラウのクレリックは今や16000経験値を犠牲にしており、彼女の仲間は完全なクラス・レベルを手に入れている。しかしながら、今や彼女はレベル調整値を持ったことがないように成長することが出来る。経験値システムの自己修正機能により、彼女はそう遠くなく仲間に追いつくだろう。そして206000経験値(190000経験値に消費した16000経験値を足した結果)を得た後、20レベルに達するだろう。もし彼女がこの代案システムを使わなかったら、彼女は20クラス・レベルに達するまでに231000経験値を蓄えなくてはならなかっただろう(通常のドラウは+2調整値を持つため、有効キャラクター・レベルが22となる)。