4.球体の部屋 The Chamber of Globes(遭遇レベル様々)

  短めの階段が水上に設けられた無施錠の木製扉に続く。白羽山に設けられた他の扉のように、これは湿っているため木が膨れており、開くのはやや難しい。

  扉を開けたなら、以下のテキストを読むか適切に言い換えろ。

  扉を越えると、30フィート四方の部屋となる。泥だらけの床の上には、9つの、銀のように見える球体が、ワイヤーで天井からぶらさげられている。

 

  この部屋に至る扉は開放された5ラウンド後に、魔術的に叩きつけるように閉まり施錠される。ひとたびこの方法で閉まったのなら、それは適切な鍵で内側からのみ開けることができる。扉は通常の手段で破壊することが出来るが、魔術的な耐久性を有しており、毎ラウンド自動的に修復していく(特性については下記を参照)。永続化されたニストゥルズ・マジック・オーラ がその魔法を感知不能にしている。

 

扉 Door:硬度10、ヒット・ポイント40、破壊難易度43;開放するためには【筋力】判定難易度8を必要とする;毎ラウンドこうむったダメージを10ポイント回復させる;永続化ニストゥルズ・マジック・オーラ

 

  9つの銀色のガラス球は、それぞれ直径約2フィートで、床から7フィートの高さにアダマンティン鋼線(硬度20、ヒット・ポイント2)によって天井からぶらさげられている。第6球体(下記参照)を除き、揺する事でそれぞれの球体には1つかそれ以上のアイテムを内包していることが明らかになる。球体の内側は鉛を薄く塗られていることから、ディテクト・マジック スクライング といった感知呪文は失敗する。

 


球体 The Globes:硬度1、ヒット・ポイント5。

  武器による打撃はどの球体であっても容易に破壊し、床を約2インチ覆う泥の上に内容物をぶちまける。泥上のアイテムを見つけるには〈視認〉判定難易度10を必要とする。

  それぞれの球体には鍵が内包されているが、この部屋の真の鍵はひとつだけである。若干の球体にはクリーチャーや魔法のアイテムが含まれる場合もある。

  参照目的のため、球体には時計回りに螺旋を描くように、北西角のそれを第1として第9まで番号が与えられる。いかなる種類の数字や印も球体の表面には見て取れない。


第1球体(遭遇レベル5):この球体には2体のシャドウ、300個ほどの鉛の小片、偽の鍵を内包している。シャドウは球体内に魔術的に捕えられており、解放後は即座に攻撃を開始する。

  シャドウ Shadows (2体):ヒット・ポイント19;『モンスター・マニュアル』95ページ参照


第2球体:この球体にはイーグルズ・スプレンダー のポーションと偽の鍵を内包している。


第3球体(遭遇レベル5):球体には激怒しているエア・エレメンタル、+1アミュレット・オヴ・ナチュラル・アーマー、2つのビード・オヴ・ブレッシング を連ねたストランド・オヴ・プレイヤー・ビーズ、そして偽の鍵を内包している。

  大型エア・エレメンタル Large Air Elementalヒット・ポイント60;『モンスター・マニュアル』45ページ参照


第4球体:この球体にはフライ のポーションと偽の鍵を内包している。


第5球体:この球体には11個の無価値なガラス球(〈鑑定〉判定難易度10)と偽の鍵を内包している。


第6球体(遭遇レベル4):球体内にはグレイ・ウーズが満たされている。他の球体と異なり、これはカタカタと鳴らず、他の物より若干重たいような気がする。ウーズの中には5個の宝石(それぞれは〈鑑定〉難易度10で、50gpの価値を持つ模造品とわかる)と偽の鍵が浮かんでいる。

  グレイ・ウーズ Gray Ooze ヒット・ポイント31;『モンスター・マニュアル』33ページ参照


第7球体:この球体にはホールド・モンスター のワンド(チャージ1回分)と偽の鍵を内包している。


第8球体:この球体には魔法の指輪と真の鍵を内包している。

  解放と共に、指輪はパーティの面々にテレパシーで以下のメッセージを伝える。

  「ちょっと待て、俺を拾う前に考えろよ。俺はリング・オヴ・インヴィジビリティ だが、年に1回だけウィッシュ を発動することも出来る。俺の唯一の欠点は、年に1ポイントだけヒット・ポイントを永久消費するってことだ。おまけに俺を持ち運べるのはたったひとりだけ。俺は指から抜かれると力を全部失っちまうんだ。それに俺を持って行こうってんなら、ここを出る前に俺を填めなきゃいけないぜ。なぜって、ただ持ってるだけじゃ俺は部屋の外に出ることが出来ないからさ。つまりだ、あんたらは誰が俺を永久に身に付けるかを決めなきゃいけないってこった」

  PCが部屋にいる間に、ディテクト・マジック を指輪に発動すると中程度の魔術オーラを感知し、〈呪文学〉難易度18に成功するとそれが幻術であることがわかり、指輪の話が事実であることを補強する。にもかかわらず、指輪の話は嘘だ。誰かがそれを身につけるか部屋から外に出た途端、指輪はすべての魔力を失って話しさえしなくなる。

  指輪の物語はPC間の忠誠心と知力の試練である。パーティの面々は指輪のために互いの喉を掻き切り合うだろうか?


第9球体:この球体には600gp相当の宝石(2つの100gp相当のパール(真珠)、4つの50gp相当のターコイズ(トルコ石)、200gp相当のルビー(紅玉))と偽の鍵を内包している。