13.スナーラの私室 Snarla's Sanctum(遭遇レベル5)

  彼女がケラプティスに仕え始めた頃、スナーラは白羽山の地下迷宮は快適とは言えないと不平を漏らす失敗を犯した。この部屋はその結果である。

  部屋の外とは著しく対象的に、室内は明るく照らされ、極めて美しく飾られている。床は上質な手織りの敷物でおおわれ、天井は綿雲が散りばめられた夏の青空を、複雑なモザイクで表現してある。豪華な壁掛ときらめく垂れ幕が壁を覆い、迷宮の他の部屋と異なり部屋に暖かさと快適さを与えている。扉の反対側の角には上質の毛布とクッションで覆われた大きなベッドが据え付けられている。ベッド脇のテーブルにはケーキやナッツ、スウィーツの並んだサイドボードが置かれている。部屋の反対側には真鍮のたがで締められた樫の収納箱がある。

 

  スナーラの終わることなき失望の象徴である美しい部屋は永続化された幻であり(術者レベル18)、四隅にコンティニュアル・フレイム 呪文が発動された古い敷き藁の敷かれた簡素な石の部屋に上書きされているだけのものだ。収納箱は本当に存在し、唯一の食料である携行食が収められている。

  この幻に触れた者は誰であっても意志セーヴ難易度21に成功すれば、ほとんど空っぽである現実の部屋に気付く。スナーラははるか昔にセーヴィング・スローを成功しており、それ以来彼女は部屋に上塗りされた透明な作り物により鎮めることの出来ない不快を味わっている。

 

罠:北西角の収納箱は見た目どおり、部屋で唯一の物品である。それはスナーラが巻物から発動したファイアー・トラップ 呪文で護られている。

罠:ファイアー・トラップ Fire Trap
脅威度:攻撃ロール:
罠の種類:魔法式セーヴ難易度:反応16(半減)
作動条件:接触式ダメージ:
再準備条件:不可効果:1d4+7[火]ダメージ
目標:複数目標(半径5フィート以内)
難易度:〈捜索〉29、〈装置無力化〉29

 

宝物:収納箱には上質な石壷に詰められた珍しい軟膏や薬の収集品(300gp相当)、7粒の宝石(それぞれ75gp相当)、銀の首飾り(750gp相当)が含まれている。偶然の一致ではなく、これらのアイテムはトライデント“ウェーヴ” の《初級伝来能力》を解放する儀式を行うに当たり必要とされる原材料である。スナーラは今まで“ウェーヴ” を研究しており、そしてそれが山中のどこかに隠されていることを知っている。そして彼女は自身のためにその権利を主張しようとする。