26.呪いのテラス Terraces of Doom(段庭毎に遭遇レベル6)

  この部屋は多様な挑戦を与える。

  目に見えない光源が、広大な部屋を明るく照らす。部屋は階段状に組まれている。一連の長方形をした水平の棚が、約40フィート下の中央部分を見下ろすような形で、等間隔に並んでいる。風変わりなクリーチャーが、それぞれの棚を歩き回っている。

 

  この巨大な部屋は同心型の長方形をした水平棚が、10フィートの高度差で設けられ、40フィート下の最下層に出入口が設けられている。最上層(第26区画A)は平坦で特色がないが、他の各層については飢えたクリーチャーたちがPCを捕食しようと手ぐすね引いている。水平棚のうち2層(第26区画B第26区画D)は巨大な水槽のように縁まで水で満たされている。最下層(第26区画E)の対面する壁に、外に向かう扉がある。

  それぞれのテラスは、厚さ6インチの魔術的に鍛えられた透明な鉄により壁と天井が作られている。この構造により、それぞれの水平棚は幅10フィート、高さ10フィートをした環状の通路型部屋となる。他のテラスに進むには1ケ所だけ設けられた傾斜路を通るしかない。これらの通過点は、地図上に書き込まれたb、c、d、eの位置にある。

 

テラスの壁 Terrace Wall:硬度20、5フィート毎に360ヒット・ポイント;破壊難易度66

 

  もしキャラクターが水を湛えている壁のひとつを破壊することに成功したなら、その層に設けられた緊急排水装置が作動開始し、水は地下水槽に吸い込まれる。破壊された壁からは水量のおよそ1/3が流出し、短時間だけ最下層の上部に深さ5フィートの水を満たす。それも数分間でしかなく、水は壁に設けられた小さな排水口を通って、同じく地下水槽に流れ込む。


26A.何もないテラス Empty Terrace

  この層にはいずれのクリーチャーも、興味を引きそうな点もない。ポイントbには、下方に位置する第26区画Bに至る傾斜路がある。


26B.海のテラス Ocean Terrace

  この階層は完全に水で満たされている。ここを進もうとするキャラクターは息を止めるか、あるいは水中での生存を可能とする特殊能力を持たなくてはならない。この階層の戦闘処理についての情報は、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』91ページの水中戦闘を参照しろ。

  ポイントcには第26区画Cに至る密閉された傾斜路がある。傾斜路を解放するためには、キャラクターはまず扉のレバーを倒して排水装置を作動させ、この階層の水を地下水槽に移さなくてはならない ‐ この工程には5ラウンドがかかる。レバーを倒して10分間経過するとリセットされ、傾斜路への扉は封鎖され、テラスは再び水で満たされる。

 

クリーチャー:2体のハンマークロウがこの区画に潜んでいる。ハンマークロウは脚長10フィートをした、ザリガニのような水生捕食者であり、獲物を気絶させるために《音波振動》を用いる。それは薄紫の斑模様をした殻と葉柄の先に付いた青い目、特大の鉤爪を持っている。ハンマークロウは邪悪で、そして狡猾である。そしてしばしば驚くほど知的な戦略を用いる。PCが到着した時、クリーチャーはテラスの無作為に決定された角にいる。しかしそれらは即座に侵入者を攻撃しようとする。

  ハンマークロウ Hammerclaw (2体):ヒット・ポイント54;『ストームラック』152ページ参照

 

戦略 ハンマークロウは少なくとも1人のPCを30フィート以内に捉えたなら、ただちにそのキャラクターを朦朧化するべく《音波振動》を用いる。その獲物が朦朧化するか気絶状態となったように見えないなら、それは近接戦闘を開始しない。ヒット・ポイントが20以下に下がった場合、ハンマークロウは戦闘から離脱する。


26C.砂漠のテラス Desert Terrace

  この階層は乾燥しており、薄い砂の層で覆われている。そして所々に乾ききった骨が散らばっている。ポイントd第26区画Dに至る傾斜路が設けられている。

 

クリーチャー:3体の大型モンストラス・スコーピオンがこの段庭をうろついている。それらは個体ではさして危険ではないものの、スコーピオンがキャラクターのひとりを他の者から引き離すことに成功するなら、この遭遇戦は非常に危険なものとなるだろう(下記の戦略を参照)。

  大型モンストラス・スコーピオン Large Monstrous Scorpions (3体):ヒット・ポイント32;『モンスター・マニュアル』286ページ参照

戦略 この階層にキャラクターが足を踏み入れるや否や、スコーピオンは全方位から侵略者を攻撃するべく馳せ集まってくる。もしスコーピオンがキャラクターに対し組みつき判定に成功し、さらにもういちど成功したのなら、標準アクションを用いることで別のスコーピオンと位置を入れ替えて、犠牲者を25フィートまで引きずり集団から引き離すことが出来る。スコーピオンは死ぬまで戦う。


26D.呪われた水のテラス Watery Doom Terrace

  この階層の水深は8フィートであるため、キャラクターは水中を移動するに際して水中呼吸能力を必要としない(その能力が補助になることは事実だが)。スコーピオンの毒を受け【耐】が低下しているキャラクターは、以前ほど呼吸を止め続けることが出来ないだろう。

  ポイントe第26区画Eに至る傾斜路が設けられている。傾斜路の扉にはレバーがあり、これは第26区画Bのレバーと同様に作用する。

 

クリーチャー:2体のシー・キャットがこのテラスを回遊している。それらは侵入者を目にするやいなや、挟み撃ちにするようにテラスを動いてから攻撃する。ヒット・ポイントが20以下に低下したシー・キャットは戦闘から離脱する。

  シー・キャット Sea Cats (2体):ヒット・ポイント51;『モンスター・マニュアル』85ページ参照


26E.中央テラス Center Terrace

  最下層の天井も上層部と同様に、魔術的な透明の鉄で完全に囲われている。そのため飛行可能な訪問者が他のテラスを迂回することは出来ない。PCが到着したなら、以下の文章を読むか言い換えろ。

  このテラスには、噛み砕かれた骨が散らばっており、そして石に刻まれた深い傷跡が、閉じ込められて激怒する獣の、無言の抗議のように聞こえた。

 

  このテラスのそこかしこにいくつかの小さな排水口が設けられている。そして彼方の壁に補強された木製の扉がある。それを調べた者は誰であっても容易に扉が両側から施錠されていることがわかる(〈解錠〉難易度30)。そしてそれを越えて進むのなら閉じ込められるだろう。この扉のための鍵は存在しない。

 

クリーチャー:2体のマンティコアがこのテラスに住んでいる。低い天井はそれらが攻撃者の上空を確保して有効に使う利点を無くしているが、にもかかわらずそれらは致命的な敵だ。それらは侵入者が上層を回りこんでいるのを見たなら、キャラクターが第26区画Dの傾斜路を滑り落ちて来るや否や、尾のスパイクを発射できるような位置に移動する。それらはこの階層から逃れることができないので、マンティコアは死ぬまで戦う。

  マンティコア Manticores (2体):ヒット・ポイント57;『モンスター・マニュアル』233ページ参照

 

特別な経験値調整 機動力の欠如を反映するため、マンティコアに勝利した際の経験値を25%減らせ。