ブラックレイザー は未知の鋼合金から鍛造されたグレートソードである。それは黒曜石の細片で飾られた黒い鞘に収められている。非レガシー・ゲーム能力値：＋１グレートソード ；2350gp
前兆 ：抜かれたなら、ブラックレイザー は星が散りばめられた夜空のように輝く。それが生けるクリーチャーに致命的な一撃を与える時は、常に所持者はかすかなつぶやき声を聞く。
沿革 History
ブラックレイザー は、現在賢者や次元間旅行者の間で“多次元世界”と呼ばれている、物理法則すら異なる滅び去って久しい領域において、生物ではないと確信がもてない素材を用いて鍛えられた剣だ。その領域の滅んだ日、ウィザードのケラプティスは多次元世界出自の武器を自身の次元まで運んできたのである（〈知識：歴史〉難易度15）。
実のところ、ブラックレイザー の現在の形態はその真なる姿ではない。元来、グレートソードは生けるクリーチャーで、ケラプティスが訪問した風変わりな多次元世界の固有生物だったのである。その次元の住民から学んだ風変わりな儀式を通じ、まずケラプティスは存在の意志を捻じ曲げ、次にその姿をも捻じ曲げ、彼はそれを武器の姿にしたのである（〈知識：歴史〉難易度20；刃支配の儀式；以下参照）。
ブラックレイザー の出身次元の支配者たちは非常に強力な存在で、多次元世界すべてを支配においていた。命令は絶対であった ‐ すべてのエントロピーと崩壊はすでに事実上抹消されていた。けれど、これらの支配者たち行使した力の量にもかかわらず、彼らの支配のたがは緩み、恐るべきクリーチャーは封印されていた禁断の次元を逃れ、領域全土を毒すため活動を開始した（〈知識：歴史〉難易度25；魂解放の儀式；以下参照）。
常態において、ブラックレイザー は生物ではなかった；それは強力なアンデッドのアトローパルに近い何かだった（『エピック・レベル・ハンドブック』参照）。実際、ブラックレイザー として知られている存在は、我々の次元においても彼の次元においても有り得て良いものではなかった。それは久しく分かたれていた多次元世界の侵略を目論む恐るべきクリーチャーの最初の１体であり、次元の支配者たちはその存在を放逐することに傾注していた。それゆえ、彼らはそれを永劫に自身の領域から放逐することを条件に、ケラプティスに対して存在を現在の形態に捻じ曲げるための知識を与えたのである（〈知識：歴史〉難易度30；忌わしき追放の儀式；下記参照）。
伝来儀式 Legacy Rituals
ブラックレイザー の全能力を解放するには３つの儀式が必要とされる。
刃支配の儀式 Dominating the Blade：あなたは一時的に精霊の生命を活性化させる特殊な塗油をブラックレイザー に塗布し、意志の争いで精霊を破らなくてはならない。そうするために、あなたは刃を手にした状態で１分間瞑想し、その後〈精神集中〉難易度15に成功しなくてはならない。あなたはこの判定で出目10を行うことができず、自身の技能ランクと能力値、特技以外からの利益を得ることはできない。もしあなたが失敗したなら、あなたは負のレベルを１得る；もし失敗が５以上である（もしくは儀式が中断される）なら、あなたは負のレベルを１負った状態で再挑戦しなくてはならない。いかなる失敗であっても、刃に塗布した塗油は効力を失う。負のレベルを除去するには、24時間後に頑健セーヴ難易度15に成功しなくてはならない。価格 ：1500gp。付与特技 ：《初級伝来能力（ブラックレイザー ）》
魂解放の儀式 Opening the Soul：ブラックレイザーを行使する間、あなたはその脅威度が自身のレベルと同じかそれ以上のアンデッドから、少なくとも負の２レベルをこうむらなくてはならない。あなたはこれらの負のレベルを、通常の頑健セーヴ以外の方法を通じて除去してはならない。価格 ：13000gp。付与特技 ：《中級伝来能力（ブラックレイザー ）》
忌わしき追放の儀式 Exile of the Damned：あなたは負のエネルギー界に旅をし、そしてその次元界において生命を喪失する前に８時間に渡るブラックレイザーへの適合儀式を行わなくてはならない。価格 ：40000gp。付与特技 ：《上級伝来能力（ブラックレイザー ）》
所持必要条件 Wielder Requirements
ファイターとバーバリアンはブラックレイザー の所持者として最適なキャラクターだが、背中を刺す事が得意なローグから気高きパラディンまで、すべての職業の男女はこの誘惑の言葉に惹きつけられるだろう。その所持必要条件は非常に簡単であり、キャラクターはその力を解放するために刃に習熟する必要すらない。
ブラックレイザーの所持必要条件 Blackrazor Wielder Requirements
基本攻撃ボーナス＋３
伝来の道具能力 Legacy Item Abilities
以下はすべて、ブラックレイザー の伝来能力である。
知覚力 Sentience（変則）：ブラックレイザー の邪悪な精神は、所持者の力が増すにつれて徐々に目覚めていく。
初級知覚力 Sentience, Least ：あなたが５レベルに達成すると、ブラックレイザー の邪悪な精神は目覚め、そしてグレートソードは知性あるアイテムとなる（【知】13、【判】10、【魅】13）。自我値は３から始まり、表Ａ−１：ブラックレイザーに示されているように徐々に増加していく。アイテムの反抗はブラックレイザー 以外の近接武器を使用している等のいかなる状態であっても起こる ‐ たとえアンデッドと戦っていても。ブラックレイザー の属性は〈混沌にして中立〉であり、それは感情によって交信する。その主な感情は強烈な飢餓感であり、多くの場合強力な生けるクリーチャーに向けられる。グレートソードは60フィート半径以内を見聞きできる。
中級知覚力 Sentience, Minor ：あなたが８レベルに達成すると、ブラックレイザー の【知】と【魅】値はそれぞれ16に上昇する。それはいまやテレパシーで交信することができ、それは奈落語と共通語、竜語、巨人語を話す。それは半径60フィート以内を見聞きし、かつ《暗視》できる。
上級知覚力 Sentience, Major：あなたが11レベルに達すると、武器の知覚力は完全に覚醒する。その【知】と【魅】値はそれぞれ18に上昇し、そして他の言語に加えて地獄語を話す能力を得る。それは半径120フィートの範囲を見聞きし、かつ《暗視》し、さらに《擬似視覚》120フィートを得る。
精神防護 Mental Ward（超常）：ブラックレイザー を所持している間、あなたは［精神作用］効果に対するセーヴィング・スローにボーナスを得る。あなたが６レベルに達しているならこのボーナスは＋１であるが、14レベルに達したなら＋３に、19レベルに達したなら＋５となる。
生命の感知 Detect Life（擬呪）：ブラックレイザー を把持している間、あなたは命令の言葉を発することで１日３回、生きているクリーチャーを感知することが出来る。この能力はディテクト・アンデッド 呪文（術者レベル５）のように機能するが、生きているクリーチャーの有無のみを明らかにする（ラウンドを消費により、その数とオーラの強度を感知する）。生きているクリーチャーの残留オーラは感知できない。
魂吸引 Souldrinking（超常）：生きている対抗者にブラックレイザー で攻撃し、そのヒット・ポイントが０以下（あるいは−10以下に）に低下した場合、あなたはそのクリーチャーを目標として即効アクションでデス・ネル 効果を発動することが出来る。意志セーヴ難易度は12にブラックレイザー かあなたの【魅】修正値の高い方を加えたものを用いる。もしクリーチャーがそのセーヴに失敗し、かつこの効果から死亡するなら、それはブラックレイザー に吸引されてしまう。この方法で殺されたクリーチャーは、ミラクル、トゥルー・リザレクション、ウィッシュ より強力な魔法に因らない限り蘇生させることができない。
もしあなたがアンデッド・クリーチャーに対し間違ってこの能力を使うなら、それは能力の１日当たりの使用回数を消費し、かつ通常効果に代わって問題が生ずる。あなたは負のレベルを得（24時間後に負のレベルを除去するための頑健セーヴ難易度は12＋ブラックレイザー 【魅】修正値である）、そしてアンデッド・クリーチャーは５ポイントの一時的ヒット・ポイントを得る。 もしブラックレイザー によって与えられた負のレベルの合計があなたのヒット・ダイス以上に達したなら、あなたはデス・ネル 効果により殺されたかのように死に、その魂は刀身に吸収される。
あなたはこの能力を10レベルにおいて１日１回、13レベルにおいて１日３回使用することが出来る。あなたが17レベルに達成したなら、対抗者が武器によってヒット・ポイントを０以下に減少させたときは常にこの効果は起動する。それは起動を必要としない。そしてアンデッド・クリーチャーに対して武器を使用するときさえ、あなたはそれが起動することを阻止できない。この能力から得られる利益を複数回獲得しても累積することはない ‐ それは直前に得られた利益に順次上書きされていく。
加速 Haste（擬呪）：16レベルにおいて、あなたは１日10ラウンドまでの間、ヘイスト 呪文（術者レベル10）の影響を得ることが出来る。能力の始動と停止はフリー・アクションで行え、またヘイスト 効果の持続時間は連続している必要がない。