この部屋はケラプティスの従えるもう1体の強力な手先の棲居である。
薄いもやが通路を満たしている。それは視覚を遮るほどではないが、より不気味な雰囲気を醸し出している。 |
霧は実際にはマインド・フォッグ の効果を持つ。いかなるキャラクターでも部屋に入ったなら意志セーヴ難易度17を行わなくてはならず、失敗したならこの部屋に留まる間と外に出てから2d6ラウンド間に渡り【判断力】判定と意志セーヴに−10ペナルティーをこうむる。このセーヴィング・スローの結果についてプレイヤーに話してはならない ‐ 単に成功か失敗かのみを記録させ、適切な瞬間にペナルティーを加算させろ(キャラクターが扉に対して〈聞き耳〉判定を行う、部屋の住民に対し〈視認〉や〈真意看破〉を行う時など;以下参照)。
第26区画からの扉のように、この部屋の扉は両側から施錠されている(〈解錠〉難易度30)。扉の前でキャラクターが立ち動く音をクェズネフが〈聞き耳〉判定で聞き取っていようといまいと(〈聞き耳〉+10)、彼らが侵入した時に彼は偽りの外見(ハーフリングのフィンセク)を採っている。PCが扉を開けたなら、以下の文章を読むか言い換えろ。
この照明された部屋は、非常に豪華である。見上げると15フィート以上はある天井は、唐草模様とモザイクで飾られている。ぶ厚い敷物とクッションが床に置かれ、壁は壁掛が覆っている。長い辺で12フィート、幅5フィートの贅沢な寝椅子が、部屋の中央に鎮座し、6フィートはあるの水ギセルが、角に立てかけられている。 |
室内に入った者が振り返ると、大型クリーチャー用のグレートソードが扉の上に掛けられている。特に衣類の異常な大きさをプレイヤーに指摘してはならない。しかしPCがそれを発見したのなら構わない。
クリーチャー:オーガ・メイジのクェズネフはケラプティスとの賭けで敗北して以来ここに住んでいる。彼はそれ以来、このウィザードの侮辱に対して報復する方法を考える事で大部分の時間を費やしている。現在、クェズネフは裕福なハーフリングの外見をしている。この姿を採っている間、彼の能力は以下に調整される。
オーガ・メイジ Ogre Mage :ヒット・ポイント37;『モンスター・マニュアル』53ページ参照
訳註:クェズネフは鎧により、AC19、接触AC9、立ちすくみAC19となる。
クェズネフのハーフリング形態 Qesnef as Halfling
|
戦略 :クェズネフは自身をハーフリング・ファイターのフィンセクであると名乗り、恐るべきウィザードであるケラプティスに数ヶ月前に連れて来られたと告げる。オーガ・メイジの〈はったり〉修正は+3にすぎないが、彼の〈変装〉修正は13あり(ポリモーフ により+10ボーナスを得る)、彼は策略に関してマインド・フォッグ の効果を多いに当てにしている。ディテクト・イーヴル 呪文によると、クェズネフからは微弱な悪のオーラが生じている。
可能なかぎり、クェズネフは戦闘を避けようとする。彼は迷宮から逃れるためには、キャラクターたちを迷宮から連れ出すことすら厭わない(ケラプティスによる彼への洗脳は完璧ではなかった;彼に働いたのは自由意志でここを去ることへの禁則だけだった)。機会を捉えて、クェズネフは用心深くPCに対してチャーム・パーソン 能力を使うかもしれない。しかし、彼が友人を求めるなら彼はそうする。
もし彼の偽りの姿が看破されるなら、クェズネフはただちに不可視化し、そして安全な片隅に移動する(〈忍び足〉+3に加え、ぶ厚い敷物のため+2ボーナスを得る)。次ラウンドに、彼はスリッパーズ・オヴ・スパイダー・クライミング を使い天井へ這い上がる。そこで彼はダークネス の擬似呪文能力を用ってキャラクターを混乱させ、必要な場所まで移動する(クェズネフはPC以上に魔法の闇を見通すことが出来ないが、室内については熟知している)。
数ラウンド後、彼はポリモーフ 効果を解除して本来の姿に戻ると、グレートソードを取り戻す。その後はキャラクターへの攻撃に転じ、集団に対してコーン・オヴ・コールド を発動するか、あるいは(立ちすくみ状態の)敵ひとりに対してグレートソード攻撃を行う。
もしヒット・ポイントが10以下に低下するなら、クェズネフはガシアス・フォーム を発動し、魔法の闇に紛れて巨大な水ギセルの中に潜り込む。その後は実体化せず、PCが彼の部屋を去るまで待ち続ける。
宝物:クェズネフは常に+1ミスラル製チェイン・シャツ (魔法の鎧としていかなる人型生物になってもサイズ調整される;これは+2相当の能力だ)とスリッパーズ・オヴ・スパイダー・クライミング を身につけている。彼の大型グレートソードは使用していない時は扉の上に掛けられている。室内の調度品は良質なものであるが、壁掛以外は特に価値があるとはいえないものばかりである。それは2500gpの価値があり、重量は30ポンドだ(見積もりのための〈鑑定〉難易度12)。
寝椅子の下に置かれたマホガニー製の木箱の中にブラックレイザー として知られるグレートソードがある。クェズネフはこの武器を少し恐れており、そのためまったくそれに触れようとしない。