山について About the Mountain

  入り組んだ藪が点在する陰鬱な荒地の只中に、千年前の溶岩堆積から出来上がったほぼ円錐形の火山である白羽山はある。その基部は約1000ヤード、頂高は周囲に比して約800フィートである。山の名前の由来となった“白羽”とは、山頂から絶え間なく噴出す間欠泉である。水飛沫は大気中に300フィート以上伸び、東向きの卓越風に乗って大きな白い羽毛のように広がって拡散していく。間欠泉の噴出しは多数あり、最終的に合流してかなり大きな流れとなって斜面を下っていく。

  最も近くにあるのはイエローリーチ村であり、山から約5マイル離れた黄色に濁った川のほとりにある(河原に点在する硫黄の堆積を由来に名づけられる)。村はパーティが行動する拠点となり、糧食やランタン油、安価なポーションと巻物、基本的な物品を供給することができる。しかし200gp以上の価格をしたアイテムの購入は不可能である。村人は山とその周辺について堪能であるが、唯一の入口以外については概ねの状況を教える以外は出来ない(下記の『冒険の始まり』を参照)。白羽山に向かう冒険者は十分準備をしていたとしても、非常に勇敢か、あるいは非常に無鉄砲であると見なされている。

  蒸気の噴出口は山腹に数多くあるが、いずれも彼女らが侵入するのが可能な大きさではない。火口丘に至る唯一侵入可能な開口部は、南斜面に開いた洞穴である。“魔法使いの口”として知られているこの大洞窟は、直径およそ8フィート、長さ約40フィートである。終端部の天井近くに、およそ1フィート長の水平な間隙がある。この間隙は周期的にすさまじい速さで空気を吸い込み、松明を吹き消し、物音をかき消してしまう。突風はやがて速度を落とし、約2秒間の休息期間を経て、次は蒸気を含んだ突風を噴出し始める。蒸気は誰かを火傷させるほど暑くはないが、しかしそれは冷気を完全に遮断するため、内部を非常に暑いサウナのようにし、洞穴内を非常に居心地悪くする。

 

 

標準的な迷宮の特徴 Standard Dungeon Features

 区画記述で特記されていない限り、山の内部はすべて以下の項目を共有する。

照明 Lighting
  すべての部屋と通路は暗い。たいていの住民は《暗視》、もしくは暗闇であっても有効な類似した能力を持っている。

温度 Temperature
  周囲温度はおよそ華氏75度(摂氏24度)である、そして大気は湿っ気が多い。これらの条件のいずれも、ゲーム効果を持つ可能性が高くない。

壁と天井 Walls and Ceilings
  すべての天井は10フィート高だ。部屋と通路は若干の例外を除き、いずれも固体の岩を掘り抜いたものだ。壁をよじ登るには〈登攀〉難易度20を必要とし、水で満たされた箇所なら白黴と藻で滑りやすいため〈登攀〉難易度25を必要とする。

扉 Doors
  山中の扉はそれぞれ8フィートの正方形で、鉄の枠をはめた樫材で作られている。湿気で腫れていることから、すべての扉は幾分開けることが難しい。

扉 Door:硬度5、ヒット・ポイント20、破壊難易度23;開放するためには【筋力】判定難易度8を必要とする。

浸水 Flooding
  いくつかの部屋は、藻の浮いた濁った水が少なくとも1フィートの高さに達している(第110181920区画を含む)。これらの区画では5フィートを移動するのに2マス分の移動力を要求される。水中での移動音は周囲にいる人々が聞き取りやすいため、〈忍び足〉判定難易度が2増加する(訳註:〈聞き耳〉の判定に+2されるというべきか)。不可視のクリーチャーが水中に立つと、周囲の水流を乱すことから容易に位置を特定される。しかし、完全視認困難による利益は得る。

  水は同様に汚染されている。誰であっても、この水を泳ぐか潜った場合、失明病に罹患する可能性がある(頑健セーヴ難易度16;潜伏期間1d3日;1d4【筋】ダメージ;【筋力】に2ポイント以上のダメージを負った者は再度頑健セーヴを行わなくてはならず、失敗した場合は永久に失明する)。この危険は彼女らが最初に侵入を試みた際にキャラクターに影響を与える可能性は低いが、2回目か3回目の挑戦時に効果を及ぼす可能性が高い。