S2モジュール | 製品版S2モジュール | 白羽山、再び |
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『ウェポンズ・オヴ・レガシー』は単に所持者の能力を増強する武器作成ルールを提供するだけではなく、これらのような武器について完全に詳細な能力を提供している。“伝来武器”はあなたのキャラクターを都合よく強化するものではなく、手に入れた武器の能力を解放するために“拡張”する必要がある。
『白羽山』は7レベルPC4人用のD&D冒険であり、新たな素材として『ウェポンズ・オヴ・レガシー』を導入している。この冒険の初版はローレンス・シックによって書かれた。後に、ブルース・コーデルは最初の迷宮を『白羽山、再び』で更新した。今、アンディー・コリンズ、グウェンドリン・F・M・ケストレル、ジェームズ・ワイアットらの3デザイナーが“伝来武器”という3つの象徴武器を加え、再び冒険を拡大更新した。
主たるアクションは白羽山として知られる活火山、古代のウィザード・ケラプティスと彼の手先の根拠地の中で起きる。PCは“伝来武器”を1つか2つ、あるいは3つすべてを見つけ、そして破棄しようと試みるかもしれない。
いつものことだが、あなたは自由にこれらを改変し、それを適切にキャンペーンに用いることができる。
準備 Preparation
あなた(DM)はこの冒険を動かすに当たり、D&Dコア・ルールブック ‐ 『プレイヤーズ・ハンドブック』、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』、『モンスター・マニュアル』、加えて『ウェポンズ・オヴ・レガシー』 ‐ を必要とする。シナリオは同じく『ストームラック』と『プレイナー・ハンドブック』からも資料を引き出す。このシナリオはD&D3.5版ルールを利用する。
冒険は7レベル・キャラクター4人のパーティのために設計されている。6レベル・キャラクター5〜6人のパーティであっても挑戦を受けることができるだろうし、8レベル・キャラクター3人であっても成功するかもしれない。6レベルに満たないキャラクターでは山中の挑戦があまりにも厳しいだろうし、一方多くの能力と資源を所有する8レベルを超えた人々には他所に適切な冒険を見出すだろう。
本来の冒険と同様にこの版の『白羽山』も、PCの戦術的能力とプレイヤーの精神的能力の双方に挑戦する。もしあなたのプレイヤーが“解析不能な二者択一 hackproof dilemmas”に慣れていないなら、彼女らはこの冒険に失望するだろう。しかしながら、自身の理解力を使う方法を知っている人々は、それが行動と問題解決の面白いバランスと思うだろう。あなたのプレイヤーに種々の環境を説明する際、彼女らのキャラクターが通常は有していないだろう情報や洞察を与えないように注意しろ。明確かつ適切な解説を提供し、キャラクターが理解できるように質問に答えろ。しかし、彼女らが求めなかった助言(や類するものを)を与えてはならない。
典型的なパーティであるなら三つに分割された部分のうち、ひとつの襲撃を完了するのに1回のセッションを必要とするだろう。実際、入口付近の守護者(第2区画参照)はそのように運用することを促す。それぞれの冒険は一連の挑戦からなり、その終端にはケラプティスが収集した3本の“伝来武器”を守護する強力な敵との困難な戦いが待っている。
事前に冒険を印刷しろ。少なくともシナリオを1回は読み通し、あなたが設定した状況や脅威、塔に住まう主なNPC(彼女らの行動原理など)を把握しておけ。灰色の枠に記された文章は必要なときにあなたが声を出して読むプレイヤー向けの情報であり、適切に言い換えろ。『モンスター・マニュアル』に掲載されていないクリーチャー能力については、この書において言及されている。
冒険の背景 Adventure Background
白羽山は常に近隣の村民にとって迷信と畏怖に満ちた場所であった。人々はこの自然の驚異を眼にするため何マイルも旅をして来るが、この地は様々なデーモンやデヴィルが集会を開くという噂が絶えない地でもある。時折、付近を旅する者が道に迷い失踪する事件が起こる。そのたび、人々はこの噂を再確認する。
1300年前、ウィザードのケラプティスは誰の邪魔も入る恐れなしで奇怪な実験を実践できる適切な安息地を捜していた。彼は白羽山に向かうと誰よりも最深部まで探求をし、そして火口から山の根に至るまで複雑に絡み合ったマグマ溜まりを発見した。ほんの少し改造しただけで彼は思った。ここは完璧だと。この地域はすでに悪い評判に満ちていたが、彼はそれをより悪化させる方法に腐心した。その後、彼は彼に狂信的なまでに忠誠を尽くすノームの変節者を伴い白羽山の根の下に姿を消した。そうして彼は人々の前から姿を消した。かつては聞くだけで誰もが身を震わせたケラプティスの名も、今日では学識ある学者にさえほとんど知られていない。
数週前、神秘的な名前を持つ3つの高価な魔法の武器、ウェーヴ、ウェルム、ブラックレイザー が、グレイホーク市(あるいはあなたの世界での適切な主要都市)の真ん中にある所有者たちの宝物庫から姿を消した。家来は絞首刑となり、謝礼金が公表され、そして盗賊たちの聖域ですら例外なく捜索の手は及んだ。しかし手がかりは何一つとして得られなかった。やがてそれぞれの武器の前所有者たちのもとに、奇妙な節回しの手紙が送りつけられてきた:
詩の中で言及された〈羽の小山〉とは、ためらいがちながら白羽山であると判断された。賢者はさらに署名のK がケラプティスを指すのではないかと判じたが、多くの者は手紙の主による詐称であると主張した。結局のところ、誰が1300年も前にいた伝説の魔術師が手紙を送ると信じるだろうか?
ウェーヴ、ウェルム 、そしてブラックレイザー の前所有者たちは、それぞれが勇猛果敢な英雄の一団を雇い、この挑戦に応じる事にした。PCはそれらのパーティの1つである。背後に迫るNPC冒険者のライバル・パーティを望まないなら、彼らを考慮に入れる必要はない。
冒険の概念 Adventure Synopsis
キャラクターたちは“伝来武器”を盗まれた3人の収集家の1人に雇われている。望みのアイテムを奪還するため、彼女らは白羽山を通り抜け、武器を見出し、その守護者を倒し、そして無事に持ち帰る方法を考えなくてはならない。もし望むなら、彼女らは他の“伝来武器”を捜索することも出来る。
冒険の導入 Adventure Hooks
クラシックD&D冒険の流儀に習い、『白羽山』は複雑な研究や冒険のきっかけ無しで、直接迷宮にキャラクターを突入させることも出来る。もしあなたがより微妙で起伏に富んだ始まりが好むなら、上記の『冒険の背景』で提供された情報を用いて、徐々にシナリオの全貌を明かすことも出来る。あなたはPCと雇主の会見を準備し、彼女たちがの行き先を調査するためいくつかの〈知識〉や〈情報収集〉判定を行うことも出来る。また山への陸行において若干の遭遇戦が起こるかもしれない。あるいは、あなたは『冒険の始まり』で示される情報を除去し、適切なものに置き換えることも出来る。あなたの判断に任す。
冒険の始まり Beginning the Adventure
開始する前に、3つの武器のどれがPCの雇主の物であるのかを決定しろ(下記参照)。もし彼女たちがそれらを見つけたなら、キャラクターはその他の武器を自由に保有することが出来る(返還すべき武器が最も有用であるなら、PCが略奪するのも良いだろう)。
PCに白羽山を探究する準備ができたのなら、所有者が受け取った手紙(上記)をプレイヤーに公開し、それを読むか、あるいは情報として伝えろ。このテキストはキャラクターたちを雇った者の視点で、山中の洞穴に向かう過程を記したものだ。もしあなたが独自の旅を望むなら、適切なところで読み聞かせることをやめろ。
白羽山の入口 White Plume Mountain Entrance
この項は入口である大洞窟から入った白羽山内部を詳述する。
入口 Entry
キャラクターは白羽山の下に眠る迷宮を踏破する間に、幾度かこの区画を通過する可能性が高い。彼女たちが第2区画の守護者を抹殺しないなら、彼女たちは毎回彼女と取引しなくてはならない。
1.螺旋階段 Spiral Staircase
この階段は入口である大洞窟から本来の迷宮内へと続いている。
錆びた金属製の螺旋階段は、暖かく湿っけた闇の中に進んでいく。階段はやや振動しているように思われる。まるで聞き取ることが出来ない、地下深い鳴動と共鳴しているようだ。 |
その風雨に曝されていたような様子にもかかわらず、階段は頑丈だ。濁った空気は呼吸可能であり、松明とランタンは大量の煙を発して揺らぎながら燃えている。壁は湿っており、菌類の緑と藻類の白で織り成された水玉模様をしている。濁った水が床を覆っている(標準的な迷宮の特徴を参照)。
2.スフィンクスの守護者 Sphinx Guardian(遭遇レベル9)
山中の回廊交点はエトラスカと呼ばれる不運なるギュノスフィンクスと、彼女を補佐する4つの魔法の罠により警護されている。いかなる方向からであっても、彼女の10フィート以内に侵入するキャラクターは、通路毎に仕掛けられたシンボル 呪文を起動させる(下記の罠を参照)。
濡れそぼったクリーチャーが、交差点を塞ぐ高さ2フィートほどの骨の山の上で休んでいる。クリーチャーの体は不潔なライオンのように見えるが、その横には巨大なボロボロの翼が折り畳まれている。人型生物の女のような顔が、もつれたたてがみの中からこちらを見つめている。 |
濁った水が床を覆っている(標準的な迷宮の特徴を参照)が、骨の山はギュノスフィンクスに乾燥した休息場所を与える。この10フィート四方の範囲に入る場合、高さと不安定な足場から、1マス移動するのに2マス分の移動力を消費する。
罠:エトラスカが座る交点から10フィート離れた各回廊の天井には、シンボル 呪文が刻印されている。それぞれは、キャラクターが60フィート離れた位置からでも見て判別することが出来る。シンボル は、クリーチャーがその下を通過する際に合言葉を発言しなかったなら、クリーチャーに対して何度でも起動する(下記の謎に対する回答が合言葉)。合言葉の間違いにより起動した場合、シンボル から60フィート以内のクリーチャーは効果をこうむる。ギュノスフィンクスの守護者はこれらのシンボル に同調していることから、彼女はそれらの効果に完全耐性があり、それらを起動することはない。個々の罠については4つの回廊の解説を見ろ。
彼女たちが最初に白羽山を攻略する際、PCは最初に南回廊を通過する可能性が高く、彼女たちはエトラスカに到達する前にまずシンボル 罠の影響をこうむるだろう(下記の南回廊参照)。
クリーチャー:ギュノスフィンクスのエトラスカは、ケラプティスとの契約に基づき不完全な言葉を操る者から交点を護っている。彼女はウィザードを愛しているわけではないが、長い年月に渡り奉仕を続けている。
ギュノスフィンクス Gynosphinx :ヒット・ポイント52;『モンスター・マニュアル』110ページ参照
戦略 :エトラスカは《暗視》と《夜目》を持ち、〈聞き耳〉と〈視認〉に+17修正を持つため侵入者発見の達人だ。もし彼女生来の能力が失敗したとしても、南回廊に刻印された彼女のシンボル・オヴ・スタニング は、起動することで無許可の侵入者の存在を警告する(下記の南回廊を参照)。
ギュノスフィンクスは侵入者を温和に扱うことを好み、そのため彼女はPCに対して自ら戦いを仕掛けない。彼女は誰かが接近しているのを見つけると、自発的に話しかける;彼女の謎に答えることが出来たパーティは安全に通過することが出来る。もしPCがこの申し出を受け入れるなら、彼女はあなたたちがいずれの回廊に進みたいかを尋ねる ‐ 東西北いずれか。彼女たちの選択は、彼女がいずれの謎を発するか決める。エトラスカはそれぞれの回廊の先に“伝来武器”のひとつが安置されていることを知っている。しかしどこに何が安置されているかまでは知らない。
3つの謎は以下に記され、括弧内に回答が記されている。偶然の一致だが、それぞれの謎はその先に待つ脅威を暗示している。
(回答:月) | |||
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(回答:川) |
(回答:棺桶) | ||
もしキャラクターが謎に対する正しい解答を答えるなら、エトラスカはパーティの面々にそれを繰り返すように告げる。なぜならその解答は、対応するシンボル の起動を阻止する合言葉だからだ。その後、彼女は彼女たちに通過することを許可する。彼女はいかなる状況下であっても、キャラクターに対しその解答がシンボル を起動するとも、シンボル から護られるとも口にしない。
もし攻撃を受けたなら、エトラスカは全力で抵抗するが、その間も彼女はPCに対して申し出を続ける。彼女たちが同意すると、すぐに彼女は戦いをやめる。もしヒット・ポイントが25以下に減少するなら、エトラスカは撤退し、PCが立ち去った後に元の場所に戻る(彼女は北方回廊を進み、第14区画の乾燥した踊り場へ向かう)。彼女はシンボル の影響をこうむったPCに対していかなる支援も与えない。
展開 Development:PCが謎を解くのではなく、エトラスカとの戦いや彼女を迂回することを選ぶのなら、ギュノスフィンクスはキャラクターのいずれかにシンボル の謎を迂回し続けるのか質問する。これは謎を答えた後に彼女を攻撃しようとする者に対する対処法でもある。
さらに、もしPCが謎に答えるよりむしろギュノスフィンクスを追い立てることを望むなら、彼女は、彼女たちが戻ったなら攻撃者に復讐すべく、交点上にシンボル・オヴ・デス を書き加える(呪文、頑健セーヴ難易度22)。
特別な経験値調整 Ad Hoc XP Adjustment:PCが謎を正確に解答したなら、彼女たちはギュノスフィンクスを倒した経験値の1/3を順次得ていく(脅威度8)。もし謎に答えた後に彼女を倒すなら、彼女たちはその殺害ポイントの残り分しか得られない(1つを解答しているなら残る2/3を、2つを解答しているなら残る1/3を、3つを解答しているなら経験値はもはや得られない)。
シンボル 呪文を生き抜くか無力化したなら、それぞれ経験値を与えろ(シンボル・オヴ・デス とシンボル・オヴ・インサニティ は脅威度9、シンボル・オヴ・スタニング は脅威度8、シンボル・オヴ・ペイン とシンボル・オヴ・スリープ は脅威度6)。
南回廊 South Passage
この回廊はPCたちが最初に侵入する可能性の最も高い区域である。この回廊はシンボル・オヴ・スタニング によって守られている。このシンボル が起動することにより、エトラスカは侵入者が彼女を攻撃する前に契約を申し出る時間を得る。
罠:朦朧の印形 Symbol of Stunning Trap | |||
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脅威度: | 6 | 攻撃ロール: | |
罠の種類: | 魔法式 | セーヴ難易度: | 意志セーヴ難易度22で回避に成功 |
作動条件: | 呪文式 | ダメージ: | |
再準備条件: | 自動再準備 | 効果: | 呪文(シンボル・オヴ・スタニング 、15レベル・ウィザード相当、1d6ラウンド間の朦朧化) |
目標: | 複数目標(60フィート爆発範囲内) | ||
難易度:〈捜索〉32、〈装置無力化〉32 |
西回廊 West Passage
この回廊はシンボル・オヴ・インサニティ が刻印されている。
罠:狂気の印形 Symbol of Insanity Trap | |||
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脅威度: | 9 | 攻撃ロール: | |
罠の種類: | 魔法式 | セーヴ難易度: | 意志セーヴ難易度22で回避に成功 |
作動条件: | 呪文式 | ダメージ: | |
再準備条件: | 自動再準備 | 効果: | 呪文(シンボル・オヴ・インサニティ 、15レベル・ウィザード相当、恒久的な混乱状態に陥る) |
目標: | 複数目標(60フィート爆発範囲内) | ||
難易度:〈捜索〉33、〈装置無力化〉33 |
北回廊 North Passage
この回廊はシンボル・オヴ・スリープ が護る。影響を受けたクリーチャーが魔法以外の手段では覚醒することはない。そして水から引き上げられない限りたちまち溺死する(この状況は溺れとして解決しろ)。
罠:睡眠の印形 Symbol of Sleep Trap | |||
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脅威度: | 6 | 攻撃ロール: | |
罠の種類: | 魔法式 | セーヴ難易度: | 意志セーヴ難易度22で回避に成功 |
作動条件: | 呪文式 | ダメージ: | |
再準備条件: | 自動再準備 | 効果: | 呪文(シンボル・オヴ・スリープ 、15レベル・ウィザード相当、10ヒット・ダイス以下のクリーチャーは3d6×10分間に渡る硬直性睡眠に陥る) |
目標: | 複数目標(60フィート爆発範囲内) | ||
難易度:〈捜索〉30、〈装置無力化〉30 |
東回廊 East Passage
東に続く回廊はシンボル・オヴ・ペイン を持つ。シンボル が起動した場合、影響を受けたクリーチャーはシンボル から60フィート以上離れても1時間に渡り効果をこうむる(頑健セーヴ難易度22で回避)。
罠:苦痛の印形 Symbol of Pain Trap | |||
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脅威度: | 6 | 攻撃ロール: | |
罠の種類: | 魔法式 | セーヴ難易度: | 意志セーヴ難易度22で回避に成功 |
作動条件: | 呪文式 | ダメージ: | |
再準備条件: | 自動再準備 | 効果: | 呪文(シンボル・オヴ・ペイン 、15レベル・ウィザード相当、効果を受けたクリーチャーは激しい苦痛で攻撃ロール、技能判定、能力値判定に−4ペナルティーをこうむる) |
目標: | 複数目標(60フィート爆発範囲内) | ||
難易度:〈捜索〉30、〈装置無力化〉30 |
第1部: 東回廊は伝説に謳われるドワーフのウォーハンマー、 ウェルム を納める迷宮へと続く。
3.グリーン・スライム(遭遇レベル4)
4.球体の部屋(遭遇レベル様々)
5.素数選択(遭遇レベル7)
6.門(遭遇レベル4)
7.踊り場の部屋(遭遇レベル6)
8.クテンミーアの棲居(遭遇レベル4)
C:クリーチャー、T:明記された罠 |
第2部: 北回廊はウェーヴ と呼ばれる 伝説のトライデントを納める迷宮へと続く。
9.淵(遭遇レベル2)
10.水の部屋(遭遇レベル7)
11.螺旋回廊(遭遇レベル4)
12.衛兵詰所(遭遇レベル7)
13.スナーラの私室(遭遇レベル5)
14.凸縁の扉
15.沸騰湖
16.蒸気管
17.岩棚
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第3部: エトラスカの拠点から続く西回廊は 迷宮のこの部分に向かう。
18.隠された落とし穴(遭遇レベル2)
19.加熱の罠(遭遇レベル5)
20.グールの待ち伏せ!(遭遇レベル5)
21.乾燥した階段
22.摩擦のない部屋(遭遇レベル6)
23.空中水流
24.河の襲撃(遭遇レベル8)
25.秘密の通路
26.呪いのテラス(テラス毎に遭遇レベル6)
27.クェズネフの棲居(遭遇レベル8)
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退去 Departure
もしPCが盗まれたすべての“伝来武器”を奪還することに成功したなら、ケラプティスは彼女たちが山を抜け出す前に、彼の最も信頼する家来(ゾンジンという不可視のイフリート)を送り込む。エトラスカはすでにここに居ないため、PCたちは彼女に最後の謎の解答を求めることが出来ない。彼女たちは刻印されているシンボル のいずれにも未だに損害をこうむる(今まで遭遇してきたシンボル についても同様)。
キャラクターが最後に第2区画に接近するなら、以下を読むか言い換えろ。
交差点をいままで塞いでいた、骨の山は崩され、若干の黒い破片だけが、水から突き出ている。これらの破片の間に、礼服を着た人型生物が立っていた。その顔は頭巾とそれの影に覆われ、よく見えない。 「帰らないでください、みなさん?」と人物は深く豊かな声で語りかける。「あなた方のように、非常に興味深い人々を、このままお帰ししてしまうのは忍びない。それにあなた方は、わたしのちょっとした珍品をお持ちのようだ。またあなた方は、わたしの守護者を退治してしまわれた。そこでしばしの間ここに滞在し、その代わりを務めてもらいたいのですよ。それらの武器はすべてあなた方にお渡ししましょう。ただしばしの間、わたしの下僕ゾンジンに従い、〈教化センター Indoctrination Center〉までご同行願いたいのです。もしあなた方が問題を起こし、ゾンジンの手にかかるとしたら、まったくもって悲しむべきことです。心配いりません ‐ あなたはここが気に入られるでしょう」 |
人物はイフリートが作り出した永続化されたイメージで、交点の中心から40フィートまでの距離を自由に動かすことが出来る。
罠:ギュノスフィンクスが作り出した4つのシンボル は依然健在で、ゾンジンはそれに同調しているため完全耐性を得る。
クリーチャー:エトラスカの代わりに、いまやゾンジンという名前の不可視のイフリートが、十字路に立つ。
イフリート Efreeti :ヒット・ポイント65;『モンスター・マニュアル』99ページ参照
戦略 :ゾンジンはパーティがエトラスカのシンボルの1つかそれ以上を起動するまで戦いを始めない(そして永続化イメージを攻撃して消耗するまで)。戦いが始まったなら、彼はウォール・オヴ・ファイア を使ってパーティを分断しようとする。そうして彼はスコーチング・レイ (+13遠隔接触)を使うか近接戦闘を行う。ゾンジンは同じく火の気(ウォール・オヴ・ファイア のような)の上にパイロテクニクス を発動し、煙幕を作ることも好む。
ゾンジンはヒット・ポイントが15以下になるまで戦い、その後はガシアス・フォーム を使い、パイロテクニクス で生じた煙幕に溶け込んでしまう(彼はその時点で不可視として扱う)。彼はパーティを追跡しない;彼はケラプティスに報告するだけだ。
冒険の終了 Concluding the Adventure
もしPCが破れるか、あるいは何らかの理由で〈教化センター〉に行く要請に従うことにするなら、ゾンジンは真の姿を現し、彼女らを武装解除して、ケラプティスに会うべく彼女らを山の秘密領域に導く。あなたは想像力を使い、彼女らが今後いかなる状況で奴隷と成り果てたかについて説明をしろ。パーティを襲うこの難しい状況分岐は自由に選択させろ。自動的に破滅させるのは好ましくない。おそらく、ケラプティスが行う洗脳は完全であり、PCの誰一人として自由になることはできないだろう。たぶん新たなるPCの一行が彼女らを束縛から解放するべく、白羽山の新たな住民を救うため急派されるだろう。あなたが何を決断するとしても、それに続く危険が面白く、そして興味深くしろ。
一方、もしキャラクターが白羽山から逃れることに成功するなら、“伝来武器”を奪還した報酬として、雇用者から10000gpを収めた箱を受け取るだろう。彼女たちが奪還した宝物は、他の2つの“伝来武器”を含め、彼女たちのものである。
その後の冒険 Further Adventures
キャラクターは、この強力かつ不滅のウィザード、ケラプティスから盗みをはたらくことで、その怒りを買う。まったくもって、この怒りの帰結がいかなるものになるかはDMであるあなた次第である。しかしながら、ケラプティスは3つの“伝来武器”を高く評価することから、彼が再び手先を送り込むか、または自分自身が奪還に動く可能性が高い(その目的や理由は知られていないものの)。
付録:『白羽山』の“伝来武器” The Legacy Weapons of White Plume Mountain
『白羽山』で見いだされた特殊な武器はそれぞれが『ウェポンズ・オヴ・レガシー』で提示されたルールに則って作られている。それぞれは+1武器として登場するが、その沿革(さまざまな難易度に応じた〈知識:歴史〉判定に成功を必要とする過程)を研究し、ある特定の儀式を完了させることで、キャラクターはその特殊能力を解放することができる。必要とされる判定と儀式はそれぞれの武器に記述される。どの情報を用いるかについての詳細は『ウェポンズ・オヴ・レガシー』を参照しろ。
もしあなたが『ウェポンズ・オヴ・レガシー』を使わないなら、あなたはそれぞれを奇妙な特色(前兆として記載されている)を持つ+1武器として扱い、そして武器の沿革をあなたのゲームに趣として加えろ。
ブラックレイザー |
ウェーヴ |
ウェルム |
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付録2:ケラプティスの伝説 The Legend of Keraptis
以下はAD&D1e版シナリオの末尾に記されたウィザードのケラプティスが1300年前に行った悪行についての伝説である。
同シナリオ中では、プレイヤーが情報を求めるのであれば示すようにと指示されていたが、今回の3.5e版では特に記述がなかったため翻訳者が追記するものである。
概要 Introduction
『白羽山』は1eの初期に発表されたクラシックなD&Dの冒険の1つであり、そして私自身もこの危険な山を探検したことを覚えている。いま、あなたはD&D最新版に触れることで、新世代のプレイヤーたちに同じ戦慄を与える機会を得る。DMとして、あなたは白羽山を中心に据えたキャンペーンを行うか、あるいはあなたの英雄たちが探検すべき設定世界を拡張することを望むかもしれない。そのようなとき、あなたは白羽山を囲む大沼沢地や、より遠方に位置する山脈に目を向け、あなたの英雄が挑戦するべき追加の探索や遭遇を設定するだろう。
AD&D2eの冒険『白羽山、再び』は、新たな武器と沼地の魔女シンギズザードを含め、山とその周辺地域に関する追加資料を提供した。ここであなたはフロストレイザー、すなわち第4の“伝来武器”と、3.5版に版上げされたシンギズザードを見出すだろう。さらにアンデッド・ドラゴンのドラゴサ(ドラコリッチ)が戦いの後に用いることができる脅威として考慮しろ;彼はオンラインに置かれた冒険 『ドラゴサの棲居 Dragotha's Lair』で紹介されている。これらの3つを基にして、あなたはあなたのプレイヤーに楽しみ(あるいは頭痛)を提供することができるだろう。
フロストレイザー |
ドラゴサ |
シンギズザード |
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Original Design: | Lawrence Schick |
3rd Edition Developers: | Andy Collins, Gwendolyn F.M.Kestrel, and James Wyatt |
Editing: | Penny Williams |
Typesetting: | Nancy Walker |
Cartography: | Rob Lazzaretti |
Design Manager: | Christopher Perkins |
Web Production: | Bart Carroll |
Web Development: | Mark A. Jindra |
Graphic Design: | Sean Glenn, Cynthia Fliege & Jen Page |
Design: | Robert Wiese |
Editing: | Miranda Horner |
Typesetting: | Nancy Walker |
Cartography: | Mike Schley |
Web Production: | Bart Carroll |
Web Development: | Mark A. Jindra |
Graphic Design: | Sean Glenn, Cynthia Fliege & Jen Page |